「世界のニュースを日本人は何も知らない」
谷本真由美 著 (ワニブックス)
イギリス人、実は・・・借金が大好き
イギリス人は清貧で質実剛健な紳士淑女が多いという印象
⇒ ここ20年ほどのイギリスは全く逆
借金をしまくって大量に消費するのが定番のライフスタイルになった
サッチャー改革
⇒ 金融規制の大幅緩和
⇒ 住宅ローンで家を購入したり
クレジットカードで借金するのが一般的になる
2000年以降の好景気と知識経済への移行
⇒ 若い人を中心にお金を借りて大量に消費する文化が主流に
アンティークやヴィンテージの服を丁寧に手入れして繰り返し使うライフスタイルは今や昔の話
現代のイギリス人は何でも使い捨ての大量消費、借金だらけ
国家監査局(the Nationai Audit Office:NAO)
2018年 借金の踏み倒し 830万人
イギリス人の借金の大半 住宅ローンとクレジットカードローン
2018年 6月 カードの借金
171億ポンド(約2兆3千億円)
クレジットカードローンは踏み倒す人が多い
* 銀行のキャッシュカードにクレジット機能が自動的についていることが多い
日本のような審査を受けることなく無職の人でもカードが手に入る
2018年 6月 一般家庭における平均借金額
5万8540ポンド(819万円:住宅ローン含む)
統計を取り始めて初めて家庭の支出が収入を上回る
⇒ 大半の家庭は借金だらけで大赤字
借金をする人が増えた理由
消費活動の変化、経済低迷、利子の低さ
公定歩合が低い → 0.5% → 0.75%(2018年8月)
借金を返済できずに非営利団体に相談
64% ⇒ 40歳以下
60% ⇒ クレジットカードの負債
* 若い人がライフスタイルや生活費のためにクレジットカードで借金し、返せなくなってしまうケースが最も多い
「ペイデイローン(payday loan)」
数日間から数か月間という短期間かつ数万円と少額の借金でそのかわり利子が異様に高いサービス
給料日(payday)前に生活費の足しに借りるのでこの名前がついている
ここ10年ほど大変な人気を集めている
利用者のほとんどが「サブプライムな人々」
※ 2008年 アメリカでサブプライムローン崩壊によって起こったリーマンショック
返済能力のない低賃金層に住宅ローンを貸し付けてローンが焦げついたのが原因
ペイデイローンの利用者
① 24~44歳の女性
② シングルマザー
③ 高卒以下の学歴
④ 年収4万ドル(1ドル105円として420万円程度)以下
⑤ アフリカ系
イギリスの場合の利用者
ほぼ同じ
イギリスでは
ペイデイローンの会社の多くは簡単な信用調査だけか
信用調査自体がないに等しい会社
⇒ クレジットスコア(信用履歴)の悪い人、多重債務者でも借りられる
ペイデイの利息 年利 1000~6000%
例
1000ポンド(約14万円)を年利5000%で12ヵ月借りると
利息だけで5万ポンド(約700万円)
アメリカとイギリスは貸金業を規制緩和しているのでペイデイローンが成り立つ
需要がある
低収入者、不安定な日雇い労働者、銀行口座やクレジットカードすら持てないクレジットスコアの悪い人が大勢いる事実を表す
なぜ銀行の普通口座すら持てないか
→ 銀行取引に必要な金額が不足すると自動的に借り越しできる「オーバードラフト」サービスが付帯している → クレジットスコアの良し悪しが関係
→ スコアを挽回するには → お金を借りて期日までに返したという履歴が必要
スコアを挽回する機会自体を得られない
⇒ ペイデイローンに頼らざるを得ない
日本の場合
⇒ 貸金業法と利息制限法で厳密に定められている
10万円未満 20%
10万円~100万円未満 18%
100万円以上 15%
➡ ペイデイローンが成り立たない
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ペイデイローンの利息が1000% ‼
信じられない!
狂気の沙汰だ。
日本なら、昔でいうところの義賊・義人が出る幕ではなかろうか?
「あっしの首と引き換えに、この決まり事をやめておくんなせえ」とお上に訴えでるのではないか。
こういう時、日本が残酷な弱肉強食の国ではないんだとわかってホッとする。
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