『長い「老後」をいかに楽しむか 7』
動物の動画を見ていると、心が和みます。
あの、ライオンや豹でさえ育ててくれた人間に対しては、単なるネコ科の動物になって甘えています。
子猫同士がじゃれあっているのをみると、「舐めたり」「噛みついたり」「殴ったり」して「触れあって」います。でも、片方が死んだりすると、ご飯も食べられないほど悲しみます。
彼らは、「ペット」以上の存在として、人間に寄り添って生きています。
猫や犬の「フミフミ」は、母親の温もりをもとめているのだと聞きました。
人間も同じだと思います。
赤ん坊は、「可愛い」とべたべた触られまくっていますが、年を取るとそんな機会が少なくなります。
ただでさえ、身体が冷えやすいのに、・・・。
お年寄りこそ、温かい「触れ合い」が必要な気がします。
ハンドセラピーという看護、介護の現場で注目されている方法がありましたので、ご紹介します。
認知症の介護・看護に役立つ
ハンドセラピー
監修 浜松医科大学教授 鈴木みずえ
看護師 木本明恵 監修協力
(池田書店)
「認知症」を持つ人の心と「触れること」
認知症をもつ人の心の中ででは、いろいろなことが起こっています。
「触れることで言葉では伝えきれない思いが伝わるときがある」
(ハンドセラピーを取り入れている人の言葉)
介護の基本である「触れること」が人に与える影響
・ 肌に触れることで患者さんの心と体の状態を知ることができる
・ 不安が快適に、不安が安心に変わる
横に座り、肩にそっと手を置く
話を聞きながら、軽く手を握る
タクティールとは、ラテン語の「タクテリス(Taktilis)」に由来する言葉で「触れる」という意味がある
スウェーデン福祉の先進国
1800年代からマッサージを治療の手段として捉えてきた歴史がある
肌と肌との触れ合いによるコミュニケーションを大事にするタッチケアに分類される
ソフトティッシュマッサージ(皮膚や表面の筋肉への軽い刺激により、神経性の緊張をやわらげる効果が期待されるとされる、穏やかなマッサージ法)として開発され、実践されてきた。
人が触れることによる癒しの効果を活用したケアのひとつ
1960年代に未熟児医療に関わる看護師たちによってつくられた。
未熟児の子供たちに対して様々なケアをするなか、手で触れるマッサージが子供たちの早い回復につながることや、親子の絆を深めることに強い手応えを感じ、「触れること」が医学的に重要であるという気づきがきっかけだった。
1990年半ば。スウェーデンの社会庁の研究プロジェクトに採用されたことにより、タクティールはスウェーデン各地で認知症ケアに取り入れられ、実践されることになった。
同時にタクティールに関連する研究や教育にもさまざまな機関が取り組むようになる。
「不安を取り除き、安心感をもたらす」効果の謎について、解き明かされるようになってきた。
スウェーデンの医療の中では補完療法(西洋医学を補うホリスティック療法)のひとつとして位置付けられる。
日本では、2006年より日本スウェーデン福祉研究所が「タクティールケア」としてさらにメソッドを明確にし、普及に努めている。
日本でもスウェーデンと同じように認知症の症状緩和をはじめ、さまざまな医療・介護におけるケアに広まり続けている。
ハンドセラピーで期待できること
・ 不安やストレスの緩和
・ コミュニケーションがスムーズになる
・ 認知症の行動・心理症状(BPSD)である暴力、暴言、睡眠障害、多動、抑うつ、歩き回るなどの緩和
↓ ↓
・ 認知症をもつ人も、ケアする人も笑顔になることが期待できる
☆ 薬に頼ることなく症状を緩和することができれば・・・
病院、デイサービスで取り入れられ始めている。
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この本の中に、ハンドセラピーのやり方が載っています。
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