すっかり定着したように見えるレジ袋有料化(2020年7月スタート)
皆様は、どのような感想をお持ちでしょうか?
買い物に行く時、私はレジ袋あるいはエコバッグを持って行くようにしています。
とは言うものの、家に帰ると自分で買ったレジ袋をゴミ箱にかぶせて使っています。
レジ袋をもらえないので、自分で用意するようになりました。
これは、プラスチックの減量化になっているのだろうか?と考えてしまいます。
私の日常では、エコバッグ(又はその代わりになるもの)を持って買い物に行くことは、プラスチック使用を減らしているとしても、家に帰るとゴミ箱にレジ袋が使われていて、プラス、マイナス、ゼロになっています。
ただし、枚数は少なくなっているかも…。
環境省は、レジ袋有料化で使用量が顕著に減少した。
2020年7月~2022年3月までの調べでは約50%減少したと発表しています。
確かに、私たちはレジ袋をなるだけもらわないように、代わりに使い回しのレジ袋を持っていくか、エコバッグを持っていきます。
買うとしたら、たまたまエコバッグ(または、使い回しのレジ袋)をを忘れたときになります。
使用量が減少したのは実感できます。
ただ、家のゴミ箱に買ったレジ袋を使っていたら、はたしてプラスチックの減量になっているのだろうかと少しの後ろめたさとともに疑問を持ちます。
そして、環境省の発表もそれを裏付けています。
2020年~2021年、ゴミ袋の販売量 10% 増加 となっています。
まとめ
①レジ袋有料化で使用量が顕著に減少した。
(2020年~2022年3月まで 約50%減少)
②レジ袋有料化政策の副作用として、家庭用ゴミ袋の需要が増加した。
③レジ袋有料化で消費者のプラスチックの使用を減らす意識の変化をもたらした。
④事業者の対応は、袋使用量の削減に貢献した。
今後、レジ袋を希望する消費者に対し
バイオマスプラスチック製や再生素材製のレジ袋を提供すること
を検討している。
全廃棄プラスチックの量からみればレジ袋の占める割合は少ない。
環境への影響はそれほど多くないといわれています。
海洋プラスチックごみ問題
海洋プラスチックごみ
↓
環境汚染
↓
海の生態系を壊す
↓
人体への影響
雑誌や新聞などの写真で海に流れ着くプラスチックゴミの多さに驚かれた方も多いことでしょう。
便利さを享受してきた人類は、今、そのツケを払わされようとしているように思います。
光、機械的摩耗、波、温度変動など化学的、物理的な作用によって破砕されていくプラスチックは、
マイクロプラスチック(MP)とは、直径5mm未満のもの(~1マイクロメートル)
※ 1マイクロメートル=100万分の1メートル
:発泡スチロール、ペットボトル、レジ袋等
ナノプラスチックとは(NP)とは、1マイクロメートルより小さく
※ 1mmの100万分の1の長さ=1nm から1000nm(1μm)までの大きさ
マイクロプラスチックより小さいナノプラスチッは、生物の体内に取り込まれやすい。このためマイクロプラスチックよりも毒性が強いと考えられています。
マイクロプラスチックは2種類に分類されます。
①一次マイクロプラスチック:もともと小さいサイズで製造され環境に放出されたもの
歯磨き粉、工場用研磨剤、化粧品に含まれているマイクロビーズ、スクラブ等
②2次マイクロプラスチック:太陽の光や水の力などの物理的刺激で劣化、破砕して細かくなったもの
レジ袋、ペットボトル等のプラスチック製品等
プラスチック汚染は、どの様な被害をもたらすか。
マイクロプラスチックは、海洋生物への被害を引き起こすだけでなく、食物連鎖を通じて人体にも悪影響を及ぼします。
世界の海底に溜まっているマイクロプラスチックの量は、推定1400万トン以上とされており、今後さらに増加するものと予想されています。
日本周辺の海域でもマイクロプラスチックの問題が顕在化しています。
・ 水のペットボトル1本に24万個のプラスチック片が含まれていた。
・ ナノプラスチックは非常に小さく、血管、細胞、臓器の中まで入り込む
◎健康への影響を評価するには、更なる研究が必要であるが、接点を減らす方法はある。
◎米国科学アカデミー紀要(1/8発表)
レーザーによって、サンプルの化学物質を分析するツールによって、
ペットボトルの水には、これまでの研究で述べられていたよりも最大で100倍ものプラスチック粒子が含まれていることがわかった。
マイクロプラスチック問題の対策
① プラスチックごみの削減
・洗顔料や化粧品をプラスチックフリーの代替品を選ぶ
・使い捨てプラスチック製品(ストロー、カトラリー、容器など)の使用を減らし、再生可能なアイテムを選ぶ
※カトラリー:刃物の総称→ナイフ、フォーク、スプーン等
② リサイクルと廃棄物管理
・プラスチック製品をリサイクルすることで、二次マイクロプラスチックの発生を減らすことができる。
リサイクル施設が整備されている地域では、分別して回収する。
③ 教育と意識啓発
プラスチックごみの問題を広く知らせ、市民の意識を高めることが重要。
④ 研究と技術の進歩
マイクロプラスチックの影響を評価し、新たな解決策を見つけるため持続的な研究が必要。
バイオプラスチックや代替素材の開発など。
リンゴがプラ除去のカギに? 信州大学が発見
信州大学の研究チームは2,022年6月、ナノプラスチックが入った水にペクチンと鉄を加えると、ナノプラスチックが凝集沈殿を起こすことを明らかにした。
試験管の底にナノプラスチックがたまり、その存在がわかりやすく可視化されている。
研究チームによると、2日間で上澄み液のナノプラスチックがを97.3%も除去することができたという。
この結果は、ペクチンのようなバイオポリマーを使って水からナノプラスチックがを分離できることを示している。
今後、海からナノプラスチックを除去する方法を開発できるかも知れない。
信州大学がある長野県は、国内のりんご🍎の約20%を生産する主要な産地だ。
研究者らは、身近な存在であるりんご🍎から着想を得て、ペクチンを試してみたという。
また、研究チームによると、海洋マイクロプラスチックはバイオポリマーと結合して海底に沈むことが知られている。
「それなら、バイオポリマーを使ってナノプラスチックを除去することができるのではないか」と考えたそうだ。
ペクチンは、果物の皮にも多く含まれている。食用にできず廃棄される部分を使ってプラスチック問題を解決できたら、素敵ではないだろうか。
(IDEAS FOR GOOD 木村つぐみ 2022.7.25)
その他にも、いろいろな機関、人々によってプラスチックごみ問題解決のため、日夜研究が行われています。
プラスチックを食べる酵素が発見されています。何百年と分解されないと言われていたプラスチックを食べる酵素があるんだ!と驚きましたが、今後の研究結果を楽しみに待ちたいと思います。
🌸🌸🌸🌸🌸