『長い「老後」をいかに楽しむか 3』
認知症の行方不明者の現状
日本経済新聞 (2021.6.24)より
行方不明者 年 約1万7千人
2020年中に認知症やその疑いで行方不明となり警察に届け出があったもの。
1万7565人(去年より+86人)
12年の統計開始から毎年、過去最多を更新し8年で1.83倍になった。
214人は20年中に所在が確認できなかった。
都道府県別では大阪が最多の1990人だった。
厚生労働省の推計では、団塊世代が75歳以上になる25年には、高齢者の5人に1人が認知症になるとされる。
自治体は民間と連携した早期発見のネットワーク構築を、
政府は発症や進行を遅らせる「予防」を目指す。
警察庁によると、19年以前に届け出があった人も含め、20年中に所在確認できたのは1万6887人。発見までの期間は受理当日が74.2%で、99.3%は1週間以内に見つかっていた。
2年以上が5人いた。
527人は不明中に事故に遭うなどして死亡していた。……。
★ 年間1万7000人以上の人が行方不明になっている
★ しかしながら、約99%の人は発見されている
★ 発見までの期間 当日(74.2%) 1週間以内(99.3%)
1週間以内にほぼ見つかっている。
認知症の徘徊にどう対処する?
⒈ まずは、周りの人間(親族・友人など)に相談
⒉ 身体的特徴や当日の服装を民間・公的機関へ連絡
⒊ 本人を見つけたらまずは健康チェックする
⒋ 再発防止策の検討
🔹 🔹 🔹 🔹 🔹
⒈ まずは周りの人間(親族・友人など)に相談
⒉ 身体的特徴や当日の服装を民間・公的機関へ連絡
写真があれば尚良い
思い出せる範囲で紙に書いて他の人々と共有する
以下の民間・公的機関へ連絡する
・ 警察
・ 地域包括支援センター ※
・ 自治会
・ 民生委員
・ 交通各社(タクシー、バス、電車)
※ 地域包括センターとは、市町村が設置主体となり、保健師、社会福祉士・主任介護支援専門員等を配置して、3職種のチームアプローチにより、住民の健康保持及び生活の安定のために必要な援助を行うことにより、その保健医療の向上及び福祉の増進を包括的に支援することを目的とする施設(参照元:厚生労働省 地域包括支援センターの概要より)
≪なるべく人に迷惑をかけたくない≫という思いから
「もう少し自分で探してから」と連絡が遅れてしまうこともありますが、生命に関わる事態ですので
遠慮せずに速やかに連絡してください。
⒊ 本人を見つけたらまずは健康チェックする
★ 痛いところはないか
目見で外傷(擦り傷・骨折・打撲等)がないか確認
★ 寒かったり暑かったりしないか
体温を測り、熱がないか確認(夏の場合はスポーツドリンク等で水分補給)
★ 苦しいところはないか
血圧・脈拍を測り、循環器系に問題がないか確認
☆ 地域包括支援センターには保健婦が配置されているので、その場で健康チェックをしてもらえる
☆彡 注意してほしいこと
☆ 「たくさんの人に迷惑かけて、勘弁してよ!」
☆ 「恥ずかしいじゃないの!」
心配する気持ちが怒りに変わってしまい、
怒りをぶつけてしまうこと
➡ 怒った顔や怒鳴り声は本人を混乱させ、症状を悪化させる
➡ 家族への否定的な気持ちが植え付けられる
➡ 信頼関係が崩れる可能性
⒋ 再発防止策の検討
1人で出かけることができるほど元気な人の介護は、長期になる場合が多い
家族で抱えこまない
➡ 仕事を辞めなければならなくなる
慢性的な睡眠不足に陥る
地域の力を借りたり、介護アイテムを利用する
・ 介護サービスを利用する
・ 近隣住民・施設の力を借りる
・ 介護アイテム・サービスを活用する
🥰 高齢者見守りサービス
🥰 靴に小型のGPSを収納できるリハビリシューズ
🥰 人の動きを感知すると光と音でしらせる
🥰 子機が親機から一定範囲を超えて離れたら警戒音を発する
徘徊する人は、何を考えているのでしょうか ?
(介護のお仕事研究所より)
徘徊とは
認知症が引き起こす代表的な行動障害
今いる場所や時間を判断する「見当識」機能が侵されることで、今の状況が判断できなくなる結果、「歩き回る」ことになる
道に迷った自覚がない
➡ 道に迷ったと認識しても、その後どう解決したらよいかわからず歩き続けた結果、行方不明になる
➡ 交通事故や転倒など、生命を脅かすリスクが高い
徘徊が起きる原因
本人の中ではきちんとした理由がある
★ これまでの日課を守りたい
★ 帰りたい場所がある
★ 何かを探している
★ ピック病のケースも
★ 徘徊を怒って制するのは逆効果
徘徊がはじまった時、
介護者はどうすればいい?
★ 本人の不安な要素を探る
・「何かお探し物ですか?」
・「どこへ行かれるのですか?」
・ 尿意や便意を感じている
・ 幻覚におびえて逃げている
まず、本人の言葉に耳を傾ける
★ 気持ちをそらしてみる
本人の話を聞きつつ、
・ お茶をすすめてみたり、家事を手伝ってもらう
・ 近所のスーパーやコンビニまでついてきてもらう
外の空気を吸うだけでも落ち着く場合がある
★ できれば、一緒に歩いてみる
★ 徘徊対策用GPSを持ってもらう
★ 近所の人やお店、警察に事前に一言かけておく
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何よりも、行方不明になった方が、1週間以内にほぼ見つかっているという報告にホッとしました
最近では、地域住民の方も協力的であることが多いようです。
これだけの超高齢社会では、「他人事」と考えることはできません。
家族の介護をしている方に、思いやりと「休息」が与えられることを切に願います。
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