世界のニュースを
日本人は何も知らない 4
谷本真由美(著)
実は海外で評価されまくっていた安倍元首相
2022年7月8日 安倍元首相の暗殺
世界は日本でこのような事件が起こったことにショックを受けた。
アメリカやヨーロッパ大陸では、安倍元首相は日本における戦後の最も偉大なリーダーであり優秀な政治家である、と高い評価が下されていた。
「自由で開かれたインド太平洋戦略」を実現するため、安全保障体制の構築で中心的な役割を果たした点が絶賛されている。
・・・中国の軍事的台頭が欧米でも大きな懸念材料になっていて、東アジアが軍事的に最も不安定な地域。
日本の人は実感していませんが、日本の周囲は軍事的にも政治的にも世界で最も不安定な地域です。
ロシアや中国、北朝鮮だけではなくインドやラオス、ミャンマー、ベトナム、マレーシア、インドネシアといった❛難しい国❜がずらりと揃っている。
先進国だらけのヨーロッパに比べたら政治的なかじ取りがずっと難しいのです。
日本のメディアは安倍元首相が軍国主義者の超保守であるような印象を与える報道ばかりしてきました。
ところが欧米の国々の視点からすると、安倍元首相は「リベラルな政治家」であり世界の秩序の安定を願った素晴らしい政治家なのです。
日本のメディアに触れていると意外ですが、経済政策に関して批判もありましたが軍国主義者とか排外主義者という見方はほとんどありません。
これは他の国では安倍元首相をイメージで見るのではなく、実際に決定した事柄や政策で判断しているからです。
このような見解を証明する、世界各国から届いた「お悔やみメッセージ」
先ごろ亡くなられたエリザベス女王が直々に天皇陛下に対してお悔やみのメッセージを迅速に送ったことです。
これは元首相に対するお悔やみとしては異例の対応であり、安倍元首相は他国の王族に匹敵する立場だったのです。
エリザベス女王は遠回しに自分の外交的な意図や好みを示すことで知られていますが、中国の習近平国家主席がイギリスに国賓として訪れた際に手袋をしたまま握手をしたり、トイレの前に座らされたりした対応と比べると格段の差です。
エリザベス女王は日本という国を大変重要視しており、尊敬しているだけではないのです。
通常政治家というのはヨーロッパの階級の序列からすると、あくまで王族よりはるかに格下で公僕にすぎません。王族は、有権者から選ばれた人々であっても単なる使用人とみなしているのです。
したがってお悔やみの対応も、王族や皇族に対するものでは異なっています。
ところが今回の安倍元首相への対応は、他の国の王族へのそれに匹敵するものでした。
つまりエリザベス女王は安倍元首相を個人としてたいへん尊敬し、世界各国の王族や皇族に匹敵する品格と上品さがある素晴らしい人物と認めていたのです。
…… ドイツとの戦争を体験した女王様はファシズムや独裁国や軍国主義者は大きらいだが愛国者は尊敬するのです。
この意味をよく理解していない日本人があまりにも多すぎるのは実に残念ですね。
この件に関して、安倍さんの外交政策が歴代の総理大臣をはるかにしのぐ優秀なものであったことがよくわかります。
世界各国から届く安倍元首相へのお悔やみメッセージ
「安倍さん、あなたは私たちの仲間ですよ。王室と貴族の世界を理解していて、教養があり、あなたはとても優美でした。そのような方が亡くなってしまって私はとても悲しく思います」
このようなメッセージを、エリザベス女王のお悔やみは伝えていたのでした。
イギリス王室は日本の京都を500倍ぐらい恐ろしくしたところです。
21世紀の現代でも遠回しに、そして宮廷式にメッセージを伝えます。
宮廷においては不躾な振る舞いをする人間、教養がない人間、序列を理解していない人間、そして優美さがない人間は徹底的に嫌われてしまいます。
…… メーガン妃はこの典型で、アメリカ人で三流の女優といえたメーガン妃には宮廷のしきたりや序列というものが十分にできていないのです。
外交というのは、ただ単に政治的な駆け引きをすればよいというものではありません。
…… まさに人様とのおつきあいが欠かせない。意外と好き嫌いの多いエリザベス女王に気にいられるのは相当のことなのです。
ローマ教皇、ロシアのプーチン大統領、アメリカのトランプ元大統領、アフガニスタンのタリバン暫定政権の外務省報道官、といった人々からも心のこもったお悔やみが届いています。
現在ウクライナを攻撃し非難を浴びているプーチン大統領が、友人の安倍さんに繊細なメッセージを送るのです。
「日本がお金を配ってきたからに過ぎない」と言う人もいますが、…… 日本がそれほどお金を出していない機関や国だって含まれています。
アメリカの雑誌「TIME」は、左寄りで保守政治家が大嫌いなのですが、それでも安倍さんの顔写真を載せ、お悔やみのメッセージを掲載していました。
なぜ日本では若者に自民党が大人気なのか?
『ネットと愛国』(安田浩一著) によると
…… 生真面目な人が多く、たいへん真面目な気持ちで保守活動や排外活動をやっている。そして政治的には自民党を支持しているのです。
『ネット右翼とは何か』(樋口直人ほか著)
この本で書かれるネトウヨの人々は中年以上で安定した仕事や資産があり、金銭的に豊な自営業者や公務員、大企業の社員などで、その多くは自民党支持者です。
ところが、安倍さんや自民党の支援者の少なからぬ人が、いわゆる「サイレントマジョリテイ」だった。
安倍さんのお見送りや献花でわかるように
…… 「ネットと愛国」の中年非正規雇用男性とも、『ネット右翼とは何か』の裕福な自営業者とも、まったく異なるのです。
きちっとした服装の若いサラリーマン風の男性、高校生や大学生もかなりいたとのこと。しかも制服を着崩しているのではなく、きちっとした学生さんが多いのです。有名校の生徒も少なくありません。
これはこれまでメディアが伝えてきた自民党の支持者や近年の保守化する人々というのとはかなり違うようですね。
若い人の多くは、とにかく自民党が好きなのです。
若い人ほど現実に起きていることにかなり敏感で、特に子供の頃に東日本大震災などを経験したことが、かなり影響があるのではないのかと思われます。
ロシアや中国の脅威を恐れて安全保障政策を重要視しており、そして自分たちの置かれた社会が急激に変化してしまうことを避けたいという人が多いのです。
かつて若者のほとんどが「安保反対!」と叫んでいた時とは隔世の感があります。
…… 格差が大きくなっており、階級が固定されてきているアメリカやヨーロッパの実態を考えると、若い人がこういった左翼系の政党を支持するのはおおいに納得できることであります。
ところが
日本の場合は現状維持を最優先し、大企業に有利な政策を行う自民党を支持しているのであり、そのほうが自分たちの生活にとっては有利であると考えているのでしょう。
・・・・・・・・・・☘・・・・・・・・・・
自民党を支持する若者について、「現状維持を優先し・・・」と述べておられる。
若い人に直接、話を聞いたわけではないが、「現状維持を優先」して支持しているのではないと思う。(私見)
左翼(リベラル)と右翼(中道?)に分けるなら、日本では、左翼の選択肢がなくなったので「自民党」に頑張ってもらうしかなくなっているのではないかと思う。
リベラルは日夜、自ら墓穴をほっているとしか思えない。
国家観がなく、中国、韓国、北朝鮮の侵略に手を貸そうとしている現実をみれば、いやでも拒否するしかないだろう。それに多くの人が気が付いたのだ。
「きちんとした服装」の賢い若者は、リベラルを選択肢から外した。
そして、安倍さんの愛国心に心を動かされたのではないだろうか。
安倍元総理亡きあとの穴を埋めるのは大変だ。
国を愛し、守ることを実践できる人を失ったことを思い知らされる。
彼の生きざまが若い人の指針となってくれることを祈っている。
それにつけても、この増税ラッシュ。
岸田総理、何とかしてください💦
🌷 🌷 🌷 🌷 🌷
Will 9月号 より