emilyroom’s diary

徒然なるままにブログ

「触れて」いますか?

 

触れると、相手は痛みが軽くなるような気がします。

「痛いの痛いの飛んでけ~」と子どもに言うと、「飛んでった!」と言いました。

 

🍙おむすびも、手で握るから、おいしいのだ、と言われます。

   (最近は、サランラップで握るくせがついた私ですが……。)

 

人と人は、「触れあい」がないと寂しい生き物ではないでしょうか?

 

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認知症の介護・看護に役立つ

 ハンドセラピー  

   

    鈴木みずえ(浜松医科大学教授) 監修

    木本 明恵(看護師)      監修協力

 

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認知症をもつ人の心と「触れること」

 

 認知症は脳の病気が原因で起こる

 認知機能の低下により

 日常生活に支障が出てくる状態のことを

 いいます。

 

 でも、なぜか、心が傷ついて、

 心が痛くなってしまう人が多くいます。

 

 これまでと同じように

 できなくなってしまったことがつらくて、悲しい

 次にまた何か失敗をしてしまうのでは不安

 まわりから変な目で見られないか……。

 わからないからと言って裏切られたりしないか……。

 

 認知症をもつ人の心のなかでは、

 いろいろなことが起こっています。

 

 それなのに

 悲しくなるようなことを言われたり、

 役割を奪われたり、

 無視されたり……。

 

 このようなことが原因で

 脳で起こっている病気の症状以外のこと

 (中核症状があることによって起こること)

 が現れることがあります。

 これが、認知症の行動・心理症状(BPSD)です。

 

 認知症をもつ人にそっと触れてみましょう。

 「触れることで言葉では伝えきれない思いがつたわるちきがある」

 ハンドセラピーを取り入れているある人はいいました。

 

 「触られた人の心が落ち着いて笑顔が出てくる」ともいいます。

 そして、触れている自分も体と心が温かくなってくるそうです。

 

 

認知症の基礎知識

 

認知症の方とご家族の関係は

病気の進行に大きな影響を与えます

 

Q : 認知症予防と治療のうえで大事なことは何ですか?

A : 「認知症とはどういうものかをきちんと理解してください」

 

 「どうして古いことは覚えているのに、新しいことは忘れてしまうの?」

  → 病気により海馬が萎縮するためです。

    海馬が萎縮すると、新しい情報を保存するためのスペースがなくなります。

 

 「今度から忘れちゃだめだよ」

  → 本人とっては、できないことを言われているのと同じでつらい

  → できないことをやりなさいと言われているので、とても厳しい言葉

 

 「あんなにしっかりしていた親や兄弟がこうなるとは信じられない」

  → 病気が急速に悪化し、家族関係も悪化

    信頼関係が築けない

 

 「病院に連れていかれてどうなるのかわからない」と、不安から拒否される

 

Q : 家族はどうしたらいいのでしょうか?

A :家族は、杖になりましょう。

  記憶障害により、新しくて大事なことを忘れてしまうときは

  「忘れていいのよ。大事なことは私たちが覚えておくから大丈夫」と声をかけ、記憶の杖になりましょう。

 

  記憶の杖があれば、認知症の方は困らず生活していくことができます。

 

  認知症の治療には、「薬物治療」と「環境整備」があります。

 …… 家族が杖となり、認知症の方自身が判断をしながら生活できる環境を整備する

 

認知症による「物忘れ」について

 何を食べたかではなく、食べたこと自体を忘れる

 

 新しいことを覚えておきたくても、覚えておくことができない

  「どうして忘れてしまったの?」

  「覚えておきたくても、覚えておくことができない」のが認知症の状態

  ただし、怖いことやつらいことなど、印象的な出来事は部分的に覚えていることもあります

  例えば、物忘れのために家族に指摘されてつらかったことを、理由は忘れてもつらかった思い出だけが残ることがあります。

 

 認知症の種類

 

 軽度認知障害(MCI) 

  5つの定義

   ① 記憶障害の訴えが本人または家族から認められている

   ② 日常生活動作は正常

   ③ 全般的認知機能は正常

   ④ 年齢や教育レベルの影響のみでは説明できない記憶障害が存在する

   ⑤ 認知症ではない

 

 アルツハイマー認知症

 ❝物忘れが気になりませんか?❞

  ☆ よく見られる症状

  ● 記憶障害

  ● 見当識障害

  ● 実行機能障害

  ● 視空間認知障害

  ● 興味や関心が薄れていったり、身なりを繕うことができなくなったりする

 

 血管性認知症

 ❝やる気のない感じが気になりませんか?❞

 ☆ よく見られる症状

 ● 歩行障害    ● まだら認知症

 ● 構音障害    ● うつ傾向

 ● 嚥下障害    ● 情動の制御力低下

 

レビー小体型認知症

❝見えない物が見えたり、頑固になっていませんか❞

 ☆ よく見られる症状

 ● 認知機能の変動

 ● 幻視

 ● パーキンソン症状

 ● レム睡眠行動障害

 ● 抗神経病薬に対する過敏性

 ● 顕著な自律神経障害

 

 前頭側頭型認知症

 ❝「勝手」と思うような行動が増えていませんか?❞

 ☆ よく見られる症状

 ● 脱抑制

 ● 常同行動

 ● 被影響性の亢進

 ● 注意・集中力低下

 ● 感情・情動の変化

 

 

認知症の症状

  必ず現れる「中核症状」と、個人差のある「BPSD」

 

 症状が現れる過程

  認知機能障害

    ↓

  物忘れなど「中核症状」が出てくる

    ↓

    ↓   ストレス、不安感、不快感、焦燥感、身体不調、被害感、混乱

    ↓

  歩き回るなどのBPSDが出てくる

 

 

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 不安、混乱の中にいる認知症の方々を、温かい手で包み、いっときの安堵感を持っていただけたら嬉しいですね。

 

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認知症の介護・看護に役立つハンドセラピー 改訂版