シャネルは、日曜日も働きたかった!
ココ・シャネル99の言葉 酒田真実 著 (徳間書店) より
日曜日は嫌いよ。
誰も働いてくれないから。
わたしはお金が欲しい。
それは自立のシンボルだから。
誰がなんといおうとわたしは平気。
自分の道を歩むわ。
☆ 伝記作家と話していた時のことです。日曜は嫌いだというシャネルに、伝記作家は「神様は6日で世界を作ったあと、7日目をお休みにしたのはなぜ」と聞きました。「知らない」という彼女に作家は「息をつくためだ」と説明しました。それを聞いてシャネルは一言。「あなたは、お金を儲けるということを知らないのね」といいました。
服は旧友のようなもの。
長く大事にしなきゃダメよ。
女たちは服を、人生を、仕事を
次々と変えたがる。
幸福とは変えることではない。
幸福とは大事にすることである。
☆ 残されているシャネルの写真を見ると、上等な数着の服を着回しているのがわかります。色はほとんど黒と白。『フランス人は10着しか服を持たない』という本が日本でも話題になりましたが、シャネルもそうでした。
100着以上の服をもっていても、実際によく着るのは同じようなものばかり、というのはよくある話です。追うのは「新しい流行」ではなく「自分の生き方」であるべきだ、というのがシャネルの哲学でした。
いまからわたしがいうことを覚えておいて。
いつか、あなたが悲しみに沈んだ時。
自分はひとりぼっちだと感じる時。
すべてを失ったと思うとき。
すぐに相談できる友人を一人もつこと。
あとは仕事よ。
☆ 知人の靴職人レイモンが父親を亡くした時に、シャネルがかけた言葉です。その数年前のシャネルの実体験が基となっています。
50代のシャネルは、愛人の画家イリブと念願だった「結婚」目前でした。その矢先にイリブがテニスの試合中に心臓発作で急死。
シャネルは悲しみの淵に沈みながらも逃げ込むように仕事に打ち込み、また友人ミシアが、ずっと側に付き添ってくれました。
その実体験から生まれたシャネル流の「励ましの言葉」です。
人からあれこれ指図されるのはイヤ
お金もたくさん欲しい。
わたしの人生は、スタートから
楽しくはなかった・
だから、わたしは自分の人生を
創造することにしたの。
☆ たとえば大きな駅に、人の流れの中央に切符売り場や売店などの「邪魔者」があるとします。邪魔になりそうですが、実は、その邪魔者のために、人間は「最適なコース」を考えて動くそうです。何もないと、かえって「混乱」するんです。人間って面白いですね。
孤児・貧乏・人付き合いが下手なシャネルは「人生の障害物」が多かったからこそ、最短のコースを歩めたのかもしれません。
女の人生。
本番は40歳から。
それまでは練習みたいなものよ。
そして40歳からが、
本当におもしろい。
☆ 87歳まで生きたシャネルが、己の人生を振り返っての感想です。シャネルは30代~40代にかけて大成功を収めます。しかし、そこからは逆風でした。労働争議に巻き込まれビジネスは破綻。第二次大戦がはじまりナチス幹部と親しかったシャネルは逮捕。そして亡命へと至ります。その後、復活までの長いブランクの準備期間が彼女の40代~60代でした。そんな大変な時を「おもしろい」と言える彼女はどこまで強かったのでしょう。
|