「桃太郎さん」のもう一つの読み方
なぜ「桃」?
なぜ「犬」「猿」「雉」?
おとぎ話だからと深く考えることはありませんでしたが、聞いてみると面白い。
ご用とお急ぎでない方は、寄ってらっしゃい、見てらっしゃい!
まず、なぜ「桃」なのか?
桃太郎が、「桃」でなければならなかった理由は?
中国では、「桃」は、不老長寿、幸運の果実。
あの孫悟空さえ不老長寿欲しさに女神、西王母の桃園を食い荒らしている。
※ 西王母:中国に古く信仰された女仙。漢の武帝が長生を願った際、西王母は天上から降り、仙桃七果カを与えた。
同じく、日本でも、古代より桃は神聖な物として扱われていた。
2010年9月、まきむく遺跡から2000個もの桃の種が出土して話題になった。
しかも、どうやらその桃は、食用ではなく祭祀で使われたと考えられている。
このことから、桃は古より神聖なるものと考えられていたことがわかると言えよう。
邪悪な鬼と対峙するのであれば、神聖なる桃と考えられたのかもしれない。
そこで、イザナギは鬼となったイザマミに追いかけられるのだが、その際に桃の実を投げつけ、これを撃退した。
そのことから、桃の実には、「意富加牟豆美命」と神の名が与えられている。
実は、「このストーリーが桃太郎の原案となっている」とも言われている。
桃太郎のモデルとしては諸説あるのだが、その中の一つに「桃太郎=スサノオ」とするものがあり、これが非常に興味深い。
先程のイザナギの話を思い出して頂きたい。
屈強の鬼が、桃の実で退治されてしまった。
つまり、この時イザナギが放った桃とは、実は子供であるスサノオであり、見事に鬼を退治した。
桃太郎の原案との説も説得力があるのではないか。
また、鬼退治に
桃が登場する理由には、陰陽五行説がある。
なぜ、桃、犬、猿、雉なのか?
陰陽五行説が謎を説く
陰陽五行説とは、古代中国で考えられた思想で、「陰と陽の2種」と「木・火・土・金・水の5種」の思想が合わさったものだ。
これに当てはめてみると、
桃太郎・犬・猿・雉の理由が見て取れるという。
陰陽五行で五行では、
桃は金のグループとなり、方角は西を表す。
そしてこの西を十二支で表すと、
丁度「申・酉・戌」が当てはまる。
そう、猿・雉・犬である。
また、北東には「災いがやってくる」鬼門があり、十二支では「丑・寅」となる。
この鬼門に対峙する裏鬼門が、南西つまり「桃・申・酉・戌」のグループである。
このことから、鬼退治には桃太郎に、犬・申・雉になったと考えられている。
因みに、鬼の姿が牛の角にトラの着衣となっているのも、十二支の「丑寅」が由来とされる。
しかし、「なぜ鳥ではなく雉なのか」疑問であろう。
実は、これには明確な説明が見つからないのだ。
まず、昔話に出て来る犬とは、ほとんどの場合に「柴犬」を指すと言う。
日本には7種の固有種が存在したが、忠誠心・聡明・勇気といった性格から、柴犬は昔話には多く登場するようになった。
そして、猿は日本には「二ホンザル」しか存在しない。
つまり、犬も猿もこれだけで通用するのである。
しかし、トリはそうはいかない。
スズメなどの可愛らしいものから、ワシなどの大型の猛禽類まで様々で、トリだけではイメージが付きにくい。
雉の選定理由としては、山火事でも逃げない勇気があげられている。
お供の特徴として「雉の勇気」「猿の知恵」「犬の仁徳」とされていて
桃太郎は、この大切な3つを持って鬼退治に向かっている。
苦肉の策として、犬・申に雉と、違和感のある並びになったのではないだろうか?
・・・・・・・・・・
陰陽五行説で、見事におさまりました。(かな?)
さて、
その後の物語も色々と創作されているのをご存知でしょうか?
地名や名前にこじつけたとしか思えない謂れや、話が日本各地にあるようです。
もっと知りたい方は、
《動画「摩訶不思議浪漫の館」学校では教えてくれない!
謎だらけの昔話「桃太郎」》
をご覧ください。 この記事もお世話になりました。
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