emilyroom’s diary

徒然なるままにブログ

118歳まで生きた仙人のような医者 

 永田徳本 1513年(永正10年)〜1630年3月27日(寛永7 年2 月14日)

 

 記録が正しければ、118歳まで生きた。

 驚異的長寿

 

 戦国時代から江戸時代初期に生きた医者

 

 「甲斐徳本」と呼ばれる。

 「十ハ文先生」(十六文ともいわれる)

 「医聖」とも称される。

 

  甲斐の武田信玄に医者として仕える。

 甲斐に長くいたので「甲斐の徳本」として知

 られている。

 

「甲斐の徳本、一服十ハ文」

 薬を入れた頭陀袋を首にかけ、牛の背に跨って呼ばわりながら行く。

 どんな病人でも快く診てやった上、一服の薬価として十ハ文だけ貰う。

 

 いろいろなところに名を残す。

  ★ 徳本峠(とくごうとうげ)

   名の由来は、峠を超えた先が徳吾という

    地だった。

   また、徳本が諸国遊歴の際、この峠を超

    えたなど諸説がある。

 

  ★ 徳本水

    長野県上伊那郡辰野町にある。

    信州の名水・水辺百選にも選ばれる湧

     き水

    「今村の徳本水」と呼ばれる。

    徳本がこの霊水を用いて病を治療した

     ことからこの名がついた。

    江戸時代中期の名僧・徳本上人との混

     同も相まって、近隣の人々の信仰の

     対象になっていた。

 

 ★ 徳本稲荷

   大浜・宝珠寺の本堂の背面に徳本稲荷と

    いう稲荷社が接合している。

 

 漢方薬の大家

  方々の山々に入って、薬草を取って来ては

 薬を製る。その処方には、世間の医者たちの

 知らないものが多かった。

 劇薬を平気で使うも、よく効いた。

 

 トクホン製薬株式会社の「トクホン」は、

  永田徳本に因んで命名された。

 

 

 将軍秀忠の病を治す

  十八文だけ請求する。

  友人の為、家を貰う

 

 死してなお病人を治す

  諏訪にある徳本の墓にお参りが絶えない。

  諏訪郡東堀村(現・岡谷市長地地区)の尼

  堂墓地に徳本の藍塔がある。

 

 イボ取りの神様と呼ばれる。

  衛生環境が良くなかった当時、イボなどの

  皮膚病が多かった。

  徳本はこれらの疾患に熱心に取り組んだ。

 

  「病人が出来た時は、家の人が来て、願を

  掛けて、墓の前の小石を一つ持って帰っ

  て、それで痛みの箇所をさすったり、また

  は煎じて飲んだり、蒲団の下に敷いたり、

  神棚に置いたりいたします。そして、病人

  の治った時には、元の石に同じくらいの石

  を一つ添えて、お礼参りに来ます。」

  「その辺はお礼の小石でいっぱいになって

  いるということです。」

 

 十ハ文で病気を診て貰えるなんて、当時の人は、どんなにありがたかっただろうか。

 感謝の気持ちが、あちこちに「徳本」の名を残した。

 

 まことに

「医聖」にふさわしい「仙人」でした。

  

 f:id:emilyroom:20211229085823j:image

 

 

 参考文献 

  「おらんだ正月」 森銑三著 小出昌洋

   ウキペディア

  「日本のおっぺけぺー 日本の歴医者」

  「徳本プロジェクト」  他