年のせいか、和菓子が懐かしく、程よい甘みにホットする。
最近までは、たまに珍しがって買っていたくらいだった。が、ある時、何げなく食べたかりんとうの歯応えが私と合った。
口寂しい時に、コリコリと齧るとフワァーと満足感に満たされる。
それと、チョコレートやクッキーとは違う、べたべたしない甘さがいいと気づく。
これまで、さんざん食べてきておいて勝手な言い草と怒ることなかれ。
年とともに、食べ物の嗜好が変わったのだ。
胃が「カロリーの高い甘いものはやめておくれ」と言う様になったせいだから。
子供の頃に食べていたと言う懐かしさと胃に負担にならない甘さ。この硬さにいつまで齧りついていけるかという不安を抱えつつ、食べている。
洋菓子が幅をきかせている昨今、和菓子を作り続けるお菓子屋さんは、誇りを持って作っておられるようだ。
昔からのお馴染みさんもいるし、なんたって日本人には日本のお菓子が口に合うに決まっている、と自信は微動だにしないのかも知れない。
例えば、出来の悪い浮気性の亭主を持つおかみさんのように、「ふふん」と鼻であしらい、「帰ってきたら何て取っちめてやろうか」と余裕しゃくしゃくで考えている感じだろうか。
あ〜まだあった。「クッキーやケーキ」に目移りしてごめん、と出来の悪い浮気性の亭主さながらに謝り、よりを戻す私。
すみません、ただの私の妄想です。気分を害されたら謝ります。
美味しいおやつのある、ささやかな幸せ。
私は、いつまでこの美味しいかりんとうを齧り続けられるだろうか。