しばらく見ないうちに、私の大好きな小みかんに1個だけカビが隙間なく生えている。
周りのみかんにもカビが感染しかけている。
慌てて周りのみかんのカビを拭き取る。
半分カビにやられたのが1個あった。
カビが生えていない半分を味見してみた。食べられないことはなかった。
みかんの皮にびっしりと生えたカビは、美しくさえあった。
もしかしたら、中身は大丈夫かも知れない。
そうっと皮を剥がすと、何と、中身までカビは進出していなかった。みかんはきれいなみかん(?)色をしている。
「食べてみようかな」と、つい思ってしまった。何か知らない「毒」に当たって死ぬことはないだろうか?という考えも頭をよぎったが、
「食べてみたい」という食い意地が勝った。
「パクッ」とひと口で食べてしまった。
「食べられないほどではない」という味だった。
この年になると(ヤング・オールド)、怖いもんなんて無くなるんやね。「みかんのカビに当たって死んだ」となったら、格好悪いな、「食い意地出して」って笑われるな、くらいしか思いつかなかった。
私の場合、何より「もったいない精神」がそうさせたんやね。