「いのちの根」ドキュメンタリー 長野県のテレビ局制作
「いのちの根」・・・地味だが相田みつを氏の代表作と一人氏は言われている(相田みつを氏長男・相田みつを美術館館長)
癒しの書家といわれることに」非常な抵抗があるとも言われる。
・・・父自身は、見る人を「和ませよう」「癒そう」といういう気持ちで書いたことは無いはずですし、そういう気持ちで作った作品なんてどうしようもない作品に決まってますから。
父の作品は全部自分に向けての物なんですね。
・・・当たり前の事しか書いてないですが、当たり前の事って意外と分からない事なんですね。
それが結果的に見る人の心を癒す効果はあると思います。・・・
と語っておられた。
このドキュメンタリーは、長野県のテレビ局から相田氏の作品を使ったと知らせてきたものだ。
ヒューマンキャピタル研究所
ヒューマンキャピタル勉強会(平成20年12月10日)
相田一人氏 講演 より
・・・
平成20年8月6日 秋葉原無差別殺人事件
翌日 長野県のあるテレビ局から一本のビデオテープが届く。
ある刑務所のドキュメンタリーが納められていた。
義務教育を終えていない受刑者がたくさんいる。
中学を出ないで世の中に出て犯罪を犯して刑務所に入ってしまう方が非常に多い。
服役者の中で勉学の意欲があると認められた人の為に
長野県の松本市というところにある
受刑者の為の「塀の中の中学校」がある。
その一年間の様子を収めたドキュメンタリーの中に
「いのちの根」が出てきていた。
テレビ局は、「作品を使いました」ということで送ってくれた。
非常に丹念に作ってあるドキュメンタリーで感心した。
全国の刑務所から13人が集まる。
中学校の3年間分を1年で学ぶハードなカリキュラムですが、必死に学ぶ。
その授業の中で、父の作品「いのちの根」を
毎回朗読する。
「いのち」と「根」は、父の作品を貫くキーワードと思っている。
松本市立旭町中学校桐分校
松本少年刑務所内にある
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いのちの根
なみだをこらえて
かなしみにたえるとき
ぐちをいわずに
くるしみにたえるとき
いいわけをしないで
だまって批判にたえるとき
いかりをおさえて
じっと屈辱にたえるとき
あなたの眼のいろが
ふかくなり
いのちの根がふかくなる
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この詩を先生方はどんな思いで生徒に朗読させられたのか。
そして、朗読する生徒は、どのように受け止めたのだろうか。
いろいろな思いが駆け巡り、涙が溢れる。
詩に込められた言葉の素晴らしい力
不思議にも、相田一人氏は、秋葉原事件の日、そこに行く用事があったが、急な来客があり行けなくなったといわれている。
それで、この事件に巻き込まれずに済んだ。
そして、翌日にテレビ局からドキュメンタリーのビデオテープが届く。
不思議な一連の流れだ。
犯人は裁かれたが、
この詩は裁かれた者にも心の有り様を教えてくれているかもしれない。
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