私は花と会話している。
今時はもう特別珍しい現象ではないと思う。あちこちで言われているのを散見するからだ。
かつて試しに、枯れかかっていた植木に「元気になってね」と声をかけて水をやってみた。
翌日、びっくり仰天、シャンと立ちあがり生き生きとしているではないか。水やりが効いただけかも知れないと思って、2、3日様子を見てみた。声かけして水やりした時と何も言わず水やりした時とでは、明らかに様子が違うのだ。「ありがとう」「きれいだね」「うれしいな」と声をかけた時は、花も葉も昨日より元気そうにしている。
考えてみれば、このことは珍しいことではなく、植物を育てている人は皆知っていることだろう。手をかければ手をかけただけ応えてくれる。それがうれしくて、さらに愛情をかけたくなる。そして、きれいな花が咲き、おいしい野菜ができるのだ。
言うことを聞かない子供より、よっぽど可愛いわい!と思っている人もいるかも知れない。
時々、枯らしてしまいそうになる時がある。
そんな時は、「ごめん、水やり忘れてたね。元気になって。」とお願いする。
すると、「しようがないわねぇ」と言って元気に茎や葉を伸ばし、花を咲かせてくれる。
出掛ける時、帰ってきた時、わたしは、花とおしゃべりする。
ベランダで、「もう、時期が過ぎたのかな」「水やりが足りなかったかな」「肥料はこれくらいでいいのかな」「後で、邪魔になる草を抜いとくね」としゃべり続けていることがある。
私にとって、草花は裏切らない友達である。
しかし、私は時々、草花にとって裏切る友達かも知れない。怠け者だから、水やりを忘れたりするし…。
何はともあれ、うちの植木鉢たちはよくおしゃべりして賑やかである。
多分、テレパシーで話しているから無音だし、賑やかとは言わないかな?
「病院に行け!」つて言わないでね。